復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

 ディートリヒが皇帝になってから、厄介事ばかりが増えていく。

 一年ほど前、アレクサンドが西国との戦争中に間に事件は起きた。

【ルイーズ事件】と言われる帝都を震撼させた事件である。

 当時皇太子ディートリヒの婚約者ルイーズが、ときの皇帝ら三人の皇族を毒殺した。

 事件は晩餐で起き、皇后と第三皇子、皇帝の側室たちが犠牲になったのである。

 ディートリヒはちょうど隣国の大使と会食中で、ルイーズは体調不良で晩餐には参加はしていなかったという。

 原因はワイングラスに塗られた毒で、実行犯と思われる侍従は遺体で発見された。

 侍従のポケットに残っていた毒入りの小瓶と同じ物が、ルイーズの寝室から出てきたのが証拠とされたのだ。

 ルイーズは幽閉と決まった。

 幽閉先は西の塔。劣悪な環境のなかで生きながらえる苦痛を味あわせるという重い刑である。

 戦場にいたアレクサンドが事件を知ったときには、すでに処分が決まりルイーズが西の塔に送られた後だった。