復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

 ルイーズの件もあり心労の深さは計り知れない。

 処刑を免れたものの、公爵は領地の城に軟禁中である。見張りの近衛兵が門を固めているが、現在担当している責任者は、過去アレクサンドとともに戦地で戦い、アレクサンドに命を助けられたという恩がある。

 なので今回、密かに公爵の脱出を手助けしてくれた。

 少なくとも担当が変わるまでの二週間は心配ない。

「閣下、多大なる援助、ありがとうございました」

 ゴーティエ公爵は座る前に深々と頭を下げた。

「気にしないでください。なんとしても疑いを晴らしましょう」

 我が弟のしでかした悪事と思えば、むしろ申し訳ない思いが先立つ。

 アレクサンドも深く頭を下げた。

 ルイーズ事件を知ったアレクサンドはすぐに動いた。

 処刑を免れたといってもディートリヒがそれで済ますはずがない。

 公爵を軟禁し、資産を凍結して、次に狙ったのは公爵の自滅である。睨みを利かせて誰も公爵家の援助をできないようにした。