復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

「ルル。俺を信じてついてきてくれ。今はそれしか言えないが、信じてついてきてくれるか?」

 ルルは照れも忘れて、大きく頷いた。

「もちろんです閣下、私はどこまでもついていきます」

 この先、すべての閣下の悩みが解決して、幸せになるそのときまで。

 紫色の瞳の女性と結婚し、幸せな彼を目にするまで、しっかりとついて行こうとルルは心に違った。

(閣下の幸せが、私の幸せだから)



***



 次の日の夜だった。

 カンタンがアレクサンドに『到着したようです』と耳打ちした。

「わかった。ここに通してくれ」

 ほどなくして護衛騎士のマロと、マントのフードを深く被った男が入ってくる。

「さあ、どうぞ」

 アレクサンドに促されフードを外した彼はゴーティエ公爵である。

 早朝、戻ってきたハヤブサが手紙を足に括ってきた。

 ゴーティエ公爵が烏城に来るという知らせだったのだ。

 公爵と顔を合わせるのは二年ぶりになるか。

 会っていなかった間に、公爵はすっかりやつれていた。