復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~

 大公がなにに悩んでいるかわからないが、人として、なにが正解かなんて誰にもわからない。

 ただ、間違いないのは、彼が、彼が作ったこの地が多くの人に、自分に生きる勇気をくれた。

 それが揺るぎない事実ということだ。

 幸せになっていいんだよと励まされたのはルルだけじゃない。この地のみんなが知っている。

「だって、閣下さえいれば、それでいいんですもの」

 この先なにがあっても乗り越えれると思うから。

「私はどこまでも閣下についていきたいです。閣下が大好きだから」

 ふと、なにか言い間違った気がした。

「よし、よく言った」

 にんまりと目を細める大公に、嫌な予感がする。

「えっと――」

 まさか、愛の告白になってないわよね? と思ったが。

「俺が大好きなんだな?」

「そ、それは、その、侍女として、というか」

 やはり言い間違ったのだと思うが、否定するには遅すぎて。

「お世辞だったのか?」

「ち、違います」

 体を離した大公は、真顔になった。