熱いランタンの光と。

 いっそ、死にたい。いやそれこそ逃げてるだけか?でも、死ねば現実なんて僕にはなくなるし、死ねば現実逃避なんて関係ないのか?

 あいつは部活をしているだろうか。 

 あいつは吹奏楽部だ。パーカッション。打楽器だ。

 あいつは…春道 翼は、僕にとって初めての(唯一の、でいいかもしれない)女友達だ。
 翼は気が強くて、よく怒る。でも、ホントは優しいやつだ。知っている。翼がとても優しいこと。

「翼…みたいになれたらなぁ」

 僕は学校が嫌いなわけではない。

 僕は友達だってちゃんといた。学校に行きたくないわけでもない。

 学校の人たちは、多分、今僕が行っても明るく接してくれる。

 でも、それでも行かないのは。顔の大きなアザと、何度でも頭で響いている、「あんたなんか生まなかったら」って、そんな言葉。