熱いランタンの光と。

 こいつが帰ったら、また僕は一人。冷たい空気に覆われた部屋で、また一人。

 なんて駄目な人間なんだろう、僕は。そのためにこいつをここには置いておけないだろう?

 それに僕みたいな最低な人間と居させるべきではない。

彼女は怪訝そうに顔をしかめる。

「どうしたの?」

「…何もない。帰れ。」

 彼女は黙って靴を履き、出ていった。

 一人きりの部屋はあまりにも静かだった。

 開けかけのコーラはもう甘い砂糖水になっている。毎日それで乾いた喉を潤す。

 髪を掻き上げる。白いフケが落ちてきた。

 カーテンを開ける。夜空が目の前に広がり、それぞれが壮大な星座を作る。

 ベランダにかけた制服から水滴が垂れる。シャボンのように虹色に光って落ちる。ずっと干しっぱなしだからつゆがついている。落ちたつゆはどこに言ったのだろう。もう消えてしまったようだけど、まだどこかに存在するのかもしれない。