熱いランタンの光と。

 僕は黙って聴いていた。話はここで終わるようだ。

 ここから先は、未来だから。翼は、話し終えて温かい笑顔を浮かべた。作り物じゃなかった。

 翼は僕の体を起こした。
 僕はうつむき、溢れ出る涙と嗚咽を堪らえようとした。やはり、かなわなかったけど。

「ごめん、来はじめるのが遅くなった。あんたは全然、元気じゃない!だからね、私はあんたの…あんたじゃなくて、那由多の、心を元気にしてあげる。」

 僕は、多分無理だと言った。それは、本音だった。

 「何年もかかっても、絶対元気にするよ。」

 その時翼がくれたのは、あったかい、笑顔だった。