熱いランタンの光と。

「それから月日が流れ、男の子は家庭で問題を抱えるようになりました。女の子はそれを見て、見ぬふりをしました。本当はどうにかしたかったけど、何もできないでいました。男の子の笑顔は、いつしか消え去りました…。ほんとに、いつの間にか。いつ‥なのかなぁ?」

 翼の目からは驚くほどの量の涙が溢れてきた。

 でも、僕の目はとっくにびしょびしょだ。でも、嗚咽まで漏れてきて、枕に顔をうずめた。目の前で女の子が泣いてる。

 慰めないと。

 いや、無理か。僕もこんなだから。僕はこっそり、自嘲的な笑みを浮かべた。

「男の子は部屋に閉じこもってしまいました。女の子はいてもたってもいられませんでした。女の子にとって、男の子は、大事な人だったから。温かい笑顔を教えてくれた人だったから。しばらくたって、女の子は、男の子の家に毎日行くことを心に決めました。」