熱いランタンの光と。

 翼はここまで僕から一度も目を話さなかった。
 僕はそれが僕と翼の事だと気づいた。僕は翼を冷たいと思ったことがなかった。翼は、確かに態度は尖っていたけど、心はとてもとても、これまであってきた人の誰にも負けないくらいに、優しかった。

「つづけて…」

 口からは、驚くほどに弱々しい声が出た。

「うん。」

 翼は少し赤くなった瞼を閉じた。