熱いランタンの光と。

 翼はきっと僕以上に苦しそうな顔をしていた。
 泣きたくても泣けない人みたいな。

 泣けよ。

 泣けないなんて、そんなの...前の僕みたいだよ。翼がそんなことになっちゃうなら、僕は君を追い出すよ。

 翼は僕の顔を見つめる。

「おとぎ話をしてあげるわ。寝なさい。」

 寝られるとは思わなかった。

「...わかった。」

 差し出された翼の白い手に、僕はほぼ減っていないそのゼリードリンクを置いた。

 翼は、後で飲むかも、と、そこにあったクーラーボックスに入れた。

 それから笑った。

 「いくよ?」