ひとたらしどうし

「隠している必要、ないな、って」


隣から静かに響いた白石さんの声は、もしかしたら直接、胸の奥に響いたのかもしれない。


広く、やわらかに、あたたかく。


胸の奥深くまで、染み込んで行く。


まるで、乾上がった湖をゆっくりと満たして行く、ぬるい雨水のよう、で。


私ははきっと、ずっと。


ずっと、探していたのだと、思う。


やわらかく、ぬるい温度のやさしさを。