ひとたらしどうし

「…ドラマみたいだったね」


はー、ドキドキ!ドキドキしたー!死ぬとこだったよ!キュン死にだよ、キュン死に!!


身振り手振りで、胸に手を当てている実奈ちゃん。


「……、」


呆然とする、私。


「さっさと告白しちゃいなって!むちゃくちゃいー雰囲気だったじゃん!」


なんて、ばしばしと私の腕を叩く。


「…!やめ…やめてってー!ぬくもり!ぬくもりを消さないでー!!」


ちょうど、触れられた腕の辺りを叩く実奈ちゃんに、牽制をかける。


ざわざわとした食堂で、わちゃわちゃと騒ぐ私たち。


でも、食堂内の喧騒に紛れて、まわりの気にならないだろう。


赤くなってしまった顔と、大きく鳴っている心音を隠すのには、ちょうどいい。