ひとたらしどうし

「熱はないみたいだね。ほんとにどした?」


心配してくれている表情。


整った眉毛が少し、下がっている。


白石さんのこんな表情を作っているのは、私なんだという、少しだけ誇らしい気持ち。


でも、できたら笑っていてほしいな。


思ったときにはもう、口に出している。


「…あ、あの…ッ!昨日、てのひらで口を塞がれたじゃないですか。それで白石さん『ほんとはもっと、違う塞ぎ方したいんだけど』って言ってたけど、それってどういう意味だろうって、考えてたらはずかしくなっちゃって…」


一気に、畳み掛けるように告げて、少しずつ顔をあげたら。