ひとたらしどうし

「ほら、いつまでもそんな重たいの持ってないで。電池換えちゃおうか」


貸して?


差し出されたてのひらに、懐中電灯を差し出した。


特殊なドライバーで懐中電灯の蓋をあけて、テキパキと電池を換えて行く白石さんをただ、見つめた。


その大きなてのひらが、くるくると動くのを見つめる。


私はこの、てのひらの優しさを、知っているのだ。


転びそうになったら、後ろから支えてくれて、


手をつないでくれて。


抱きしめてくれて。


口をふさがれた。


よくよく考えて、やっと気がついた。


『ほんとはもっと、違う塞ぎ方したいんだけど』


って。


もしかして……