ひとたらしどうし

『工務課』のプレートがかかるドアを、おそるおそるノックした。


「…し、しつれいしまーす」


かけた声が裏返っているけれど、もう、そんなのどうでもいい。


どうか、白石さんがいませんように!!


願いながら、思いきってドアをあけた。


「…大輔くん…ッ!」


工務課の中には、大輔くんしかいなくて。


「いやー助かったよ!電池!電池替えてー」
 

懐中電灯をずいと、差し出した。


「あぁ、柚さん。電池っすね、でもオレより…」


「なにが助かったって?」


言いかけた大輔くんの声に、かぶせて聞こえた声に、おそるおそる振り返った。