ひとたらしどうし

心臓が保つか分からなかった昼休みを、どうにか終えて、気持ちを切り替えて現場に戻った。


午後からの仕事を淡々とこなしてゆく。


ルーティンみたいな仕事も、やり方を変えてみたり、もっと早くこなすためにはどうすればいいのかを考えたりしながら仕事をすれば、案外楽しい。


おまけに同じ工場内に好きなひとがいて、その好きなひとと想いが通じあっているなんて。


それだけで、毎日は楽しくなる。


「どうした朝野。ひとりでにやにやして」


振り返ったら、先輩の北野さんが立っていた。


「…あぁ!にやにやしてました?やだなー、もう」


ゆるむ頬を、両手で押さえた。