「ちょっと柚ちゃんッ!夜道で白石さんに襲われてたって、ウワサになってるけどッ?!大丈夫なのッ?!」


食堂で天ぷらうどんを啜っていたら、私服姿の実奈ちゃんが駆け込んできた。


実奈ちゃんは夜勤だったから、帰ったら詳しく話そうと思っていたのに。


まあまあ、ひとがいる食堂であなた…


しかも、そんなに大きな声で…


「…実奈ちゃんッ!しっ!声が大きいってば!」


なんとか実奈ちゃんを落ち着かせようと、四苦八苦する。


「もう!こんな、純真なコ取っつかまえて、なんなのよ?!あいつ!!私の柚ちゃん傷つけるなんて!許さないからッ!!」


そんなふうに、言ってくれるなんて嬉しい。嬉しいけどもッ!!


「実奈ちゃん…それ、勘違い…」


「うん。『純真なコ』っての以外、勘違い、かな」


重なった声に、顔をあげた。


「ちなみに昨日から、『オレの』でもあるから、よろしくね」


白い歯を見せて笑う、白石さんが立っていた。