ひとたらしどうし

「ほら」


重ねられた、「ほら」に、


差し出された左手。


ゆっくり差し出した右手は、やわらかに強く、握られた。


頼もしく、やさしい強さに、『恋』って言うか、『恋人どうし』そのコトバがふんわり浮かんできて。


あぁ、だめ、だ。


頬がゆるむ。


ゆるむなんてもんじゃ、ない。


ゆるみっぱなし、だ。


あれ?今、私。


俯瞰で見たらだいぶ、気持ち悪いヤツ、では?


それでも、自分のゆるむ頬をどうにかする術なんて、あるわけない。