ひとたらしどうし

意を決して、顔を上げて、白石さんを真っ直ぐに見つめる。


「…私がぬいぐるみが欲しくて、それを白石さんが見ていてくれて。私はそんな白石さんのミントタブレットが気になって。あの、白石さんが柚子ミントをくれたから。それでどんどんどんどん、白石さんのことが気になって、それで…」


「はい!ストップッ!!」


慌てたように、私が紡ごうとしていたコトバを、容赦なくぶったぎった、白石さんを呆然と見つめる。


「ちゃんと、オレから言いたいから」


触れ続けている、白石さんの左手と私の左手。


なんだかもっと、こういうのひりひりすると思っていたんだ。


伝えるとか、伝わるとか、伝わらないとか。


叶うとか、叶わないかもしれないとか。


いろんな感情がごちゃまぜで。


でもたぶん、いちばん最初に思ったことで間違いはないんだって。


白石さんのやさしい声が、私をゆっくりと包んで行く。


それで、それだけ、で。