ひとたらしどうし

さっきから、白石さんが連呼している「可愛い」は、私に向けて?


意識してしまうとそれは、頬を赤くする大きな威力を持っていて。


「ごめんごめん。オレばっか話してるけどいい?大丈夫?…あれ?なんか顔が赤いみたいだけど、もしかして具合悪い?!」


少しかがんで、私の顔に顔を近づけようとする白石さん。


「…ッ!だいじょうぶ、ですッ!…」


空いている左手で、思わず白石さんの胸を押し返した。


そのやわらかな体温に、少し、たじろぐ。


ひとつ、深呼吸をして「大丈夫です」再度、つぶやいて、


「続きを、どうぞ」下を向いたまま、白石さんのコトバを促した。