ひとたらしどうし

「…あ、の…、ちょ…ちょっと、待って」


私の手が繋がれていないほうの左手のてのひらを、『ちょっとタイム』言うように、私に向けた白石さんを見つめた。


「…そ…れで、朝野さんはオレのこと、見すぎ…」


「……いや、だって。こんな近い距離じゃほかにすることがなくて」


じゃ、手、離し……


「やだよ。やだ。離さない」


言いかけた私のコトバを強く、遮った白石さん。


「…そんなん言われたら、我慢出来なくなるから!!」


夜道に今度は、白石さんの大声が響いて、今度は私がコトバを無くす番。