ひとたらしどうし

「…ずっと、ずっと…このくちびるが、離れないといいのにな、って…」


言いながら、上げた視線。


確かに、叶夢さんと絡み合う。


戸惑う、のとは決して違う。


そんな不思議な表情を浮かべている、叶夢さん。


「…それは、朝も昼も、夜も、夜中もって、こと…?」


叶夢さんの声が、鼓膜を震わせる。


そのままゆっくりと、脳を伝って、全身に散らばってゆく。


私は今、この瞬間。


叶夢さんによって生かされているのだと、如実に気付かされる。