ひとたらしどうし

私を横抱きに抱きながら、ベッドルームへと続くドアを、片手で開けた叶夢さん。


電気をつけていない室内は、廊下についている灯りに照らされて、仄かに明るい。


でも、その灯りも。


後ろ手で、叶夢さんがドアを閉めてしまえば、完全な暗闇がやってくる。


私をゆっくりと、ベッドへ降ろした叶夢さん。


決して、焦ったりしない。


目が、暗闇に馴れるまでの、時間をくれた。


やがて、少しずつ、まわりの風景が脳裏に馴染んで行く。


ゆっくりとまばたきをして。


見つめた先には、ふんわりと笑う、叶夢さんが、いる。