ひとたらしどうし

「…たとえ迷ったとしても。帰れなくても。怖くはない、です。叶夢さんさえ、隣にいてくれれば」


なにも、怖くなんか、ない、です。


ただ、ただ、繰り返す。


素直な気持ちだけが、口をついてゆく。


「ふふ。そうだね。いけるとこまで行こうか。どこまでもいっしょに、ね」


玄関先の淡い光が届いている、廊下。


その淡い光に照らされている、叶夢さんの両目。


静かに、私を見つめている。