ひとたらしどうし

「…だっから!もっともっと、って、ここでこれ以上を望んじゃだめだって!!オレだってしたいよ?むちゃくちゃしたい、けど…!!」


…と、遠慮がちなクラクションが後ろから鳴って。


…わ、…やっ、べ…。


言いながら、車を発進させた叶夢さん。


…すみません…


ちいさく、口の中で謝っている姿も、叶夢さんらしい。


私の頭の後ろに回っていたはずの、叶夢さんの左手は、まるではじめからそうだったかのように、私の右手を握っていて。


叶夢さんの体温が、てのひらから伝わってくる。