ひとたらしどうし

じっ、と、見つめる私の視線に、叶夢さんは気がついているはず、だ。


時々、人差し指で自分の眉間を軽く掻いているから。


どうにか、その視線を私に向けたくて。


ますます、じっ、と、その横顔を見つめてみる。


赤信号で停まった、車。


ゆっくりと、叶夢さんの横顔が動いた。


「…柚ちゃんは、オレを殺す気、ですか…?」


その瞳は、やわらかく、優しい光に満ちている。