ひとたらしどうし

まるで、焦ったように車を出した、叶夢さん。


そんな状況でも、ハンドルを握る両腕のシャツはもれなく、うでまくり。


盗みみた横顔は、いつもと変わらなくて。


月明かりや、街の街灯を受けて、ごつごつと光っている。


長いまつげの先に、ふんわり光を集めていて。


触れてしまったら、消えてしまいそうな切なさも、はらんでいる。


離すもんかと誓った、横顔。


私だけの、もの、だ。