ひとたらしどうし

「…どうして、こんなに良くしてくれるんですか…?」


「…どうして、って。…参ったなぁ…」


頭を掻く、白石さん。


「…あの、あの!どうしてなのかな、って。ミントのタブレット、くれたじゃないですか。あれがすごく、嬉しくて」


「うん」


いまだに、繋がっているふたつのてのひらを見下ろした。


空いている左手で、通勤バッグの中からお財布を取り出した。


「…あの、白石さん手、離し…」


「やだ。嫌に決まってるじゃん」


「「……、」」


沈黙が重なって、思わず見つめ合う。