ひとたらしどうし

振りだ、振り。


あくまで、付き合っている、振り。


そんなふうに自分自身に言い聞かせていないと、錯覚してしまいそうになるから。


白石さんに気がつかれないように、そっといちど深呼吸をする。


気がつかれないように。それなの、に。


「ん?どした?大丈夫?」


歩みを止めて、私を覗き込んだ白石さん。


もちろん、てのひらは繋がったまま。

「……どう、して…」


「…ん…?」


言い聞かけた私のコトバを、辛抱強く待ってくれる白石さんの目を見つめた。