ひとたらしどうし

ちいさな足の薬指に乗せた、ちいさなおまじない。


それに気がついてくれるなんて。


そっちのほうが、『ひとたらし』なんじゃないかと、思う。


やさしくこの、薬指に触れ続けてくれている叶夢さんと、見つめ合う。


「仕事中も、」


うん。


「ひとりで家にいるとき、も」


うん。


「叶夢さんに会えないときも、ずっとずっと、」


うん。


話し続ける私に、おだやかに返事を返してくれる、叶夢さん。