ひとたらしどうし

柚ちゃん。


私の肩にくちびるをつけたまま、呼ばれる私の名前は、それだけで特別、で。


柚ちゃん。


やわらかく、動くくちびるが、くすぐったい。


柚ちゃん。


3回目に呼ばれて、ようやくうつ伏せだったカラダを横にした。


「どしたの?」


私の頬にかかった髪の毛を、指先でやさしく払いながら叶夢さんが聞いている。


その指先を、思わずてのひらで包んだ。