ひとたらしどうし

叶夢さんのおでこに、髪の毛が張り付いている。


その髪の毛を伝った雨粒は、叶夢さんのくちびるまで落ちて、そのまま顎を伝う。


その雨粒の軌跡を見つめる。


キレイだ、と思う。


「柚ちゃん」


私を呼んでくれる叶夢さんの声が、響く。


私に掴まれていないほうの腕。


そのてのひらが、私の頬を、撫でる。