ひとたらしどうし

永い時間だったのか、はたまた驚くほど早かったのかも知れない。


どしゃ降りの雨のなか、ただただ走った、叶夢さんと私。


叶夢さんのアパートにたどり着いて、玄関のドアを開けた。


先に私を入れてくれた、叶夢さんは後ろ手でドアの鍵をかけた。


がしゃり、と響いた鍵をかける音。


それは、ふたりきりの空間が出来上がった音、で。


不思議とあたたかい。