ひとたらしどうし

「…柚ちゃん。柚ちゃん」


ふたりきりの部屋に、叶夢さんの声が舞って、ふわふわと落ちてくる。


髪の毛に、頬に、まぶたに、くちびるに。


そうなってしまうともう、素直にならざるおえなくて。


ゆっくり、そろそろと上げた目線は、いとも簡単に叶夢さんの目の色に捕まった。


その目の奥で、何を思っているんだろう。


離せなくなった、目の奥を無意識に読もうとした私。


そんな私をただ、見つめ続けた叶夢さん、は。


ゆっくりと立ち上がって、ソファーに腰かける私の横に座った。


その間も、離せない、目線。