ひとたらしどうし

「おッ、どしたどした?今度はなにが楽しいの?オレにも分けてよ」


繋いだ手のひらの中から、叶夢さんのやさしさが溶け出して、私のなかへ。


「こんなこと言ったら、変なヤツだと思われるかも知れなくて」


「うん?大丈夫だよ?柚ちゃんは『変なヤツ』じゃなくて、『ひとたらし』だから」


ちゃんと、わかってるってー。


なんて、朗らかに笑う叶夢さんのほうが、『ひとたらし』だと、思う。


「私たちが歩いたあとにはきっと、『シアワセ』が落ちているな、って」


変に思われちゃうかな?でも、きっと、そうだから。


「きっと、じゃなくて。絶対、だね」


そんな風に肯定してくれる、叶夢さんの手をぎゅっと握った。


もれなく、握り返してくれる叶夢さんの左手は、頼もしい。