ひとたらしどうし

てのひらに残った、ミントタブレット。


それを、呆然とした意識で見つめる。


……あ…、


思わず声が漏れたのは。


「柚子ミント…?」


それが、私の名前のそれだったから。


いやいやいやいや。


偶然だ。


ただの。


偶然に決まって、いる。


大きく深呼吸をして、帰宅するために、なんとか椅子から立ち上がった。