ひとたらしどうし

車の助手席側のドアを開けて、私を座らせた叶夢さん、は。


ドアを閉めたら、自分も運転席側から乗り込んできて、そのまま流れのように私の方へ身を乗り出した。


まだ、外は明るいし。


誰かが通るかも知れないし。


はっきりとわかる、これから起こるであろうことに、少し目を伏せてしまったけれど。


そんなことはお構いなしに、流れるような速度で私にキスをした叶夢さん。


びっくりしたのと、ふわふわとした気持ちが入り混じる。


「ふふ。柚ちゃん、どした?」


くちびるを少しだけ離しただけの至近距離で、ささやかれた。