ひとたらしどうし

「…あの!あの、ちょっと、ちょっと待ってて!!ほんとにちょっと!すぐ、戻るから!!」


バタバタと椅子を引いて、足音をさせて叶夢さんが、言ってしまった。


……、


呆然とそれを見送る。


テーブルの上には、空になったパフェグラスと、手がつけられていない、叶夢さんが選んだガトーショコラ。


私が選んだショートケーキは、無くなったイチゴの余白に赤が染みている。


イチゴの跡が鮮明で。


確かに、叶夢さんと私が作った跡なのだと、再認識させられる。