ひとたらしどうし

「お待たせしました」


後ろから叶夢さんに声をかけたら、振り返った叶夢さんが、ちいさな、おさるさんとネコのぬいぐるみを両手にひとつずつ持っていて、


「みて!柚ちゃん。柚ちゃんとオレみたい」


あ、当然のことながら、柚ちゃんがネコね。


なんて、にこにこしている。


「えー、叶夢さん、おさるさんじゃなくて、叶夢さんがネコですよ」


「えー?オレがネコ?ないない。柚ちゃんみたいに可愛くないし」


「いやいやいや、ひとのフトコロにふらっと入ってきて、骨抜きにしちゃうじゃないですかー」


「いやいやいやいや、それを言うなら柚ちゃんだって!!意識せずに、こっちがフラフラになるくらいの爆弾ぶん投げてくるくせに!!」




「「……、」」


ふたりで、顔を見合わせる。


「ま、『ひとたらし』なふたり、ってことで」


「それもそうですね」


雑貨店の真ん中で、笑い合う。