ひとたらしどうし

下を向いて、ピンヒールをただ、見つめる。


みじめな気持ち、で。


泣きそうになる、その寸前。


「柚ちゃん、お待たせ」


ピンヒールに落ちた影と、頭上から降る、いつものやさしい声。


弾かれるように顔をあげたら、にこり、と笑う叶夢さんと目が合った。


「今朝、柚ちゃんと会った時からさ?ワンピースもゆるっとあげた髪の毛もすげーかわいいと思ってて」


でも、ね。


なーんか、歩きづらそうだなぁって。


もしかしたら、身長差とか、気にしてるのかなーって、思ったり。


私のとなりに、腰を下ろしながらそんなふうに言う、叶夢さん。