ひとたらしどうし

手を引かれて、お店を出た。


ほとんど走るようにして、白石さんの車の中へ押し込まれた。


「…どうしてこんなに手、冷たいの」


私の両手を白石さんの両手が、包んでくれる。


その両手は、当たり前のようにやさしくて、当たり前のようにやわらかい。


「…片山さん、に、手を握られて、気持ち悪くて何回も手、洗って…」


その瞬間、


強く手を引かれた。


でもその強さ、は、さっきの片山さんのものとは、全然違う。


あぁ…良かった。


白石さんで、良かった。