ひとたらしどうし

「朝野ちゃんさー、みんなに優しくて、いつもにこにこしててさぁ。オレ、すげータイプなんだよね」


そしたらさー、さっき、あんな見せつけるみないなことふたりで、しててさー。いいなーって。


減るもんじゃないしさー、オレともどう?


壁に拘束されている両手は、酔っているせいか全く力が出せなくて。


「彼氏にはさ、おんなじ課のヤツが酔っ払って外で騒いでるって、言っておいたから、しばらく帰ってこないよ」


残念だったねぇー


ほら。顔あげなって。


その指が、私の顎を掴んで無理やり上向かそうとする。


…やだ。


心の底から、嫌だ。


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だー


叫びそうになった、その瞬間の、ことー