ひとたらしどうし

途中、白石さんの姿を探しながら歩いたけれど、その姿を見つけることは出来なくて。


仕方なく、お手洗いに駆け込んだ。


てのひらが気持ち悪くて、ハンドソープをつけてなんどもなんども、洗い流した。


気が安らぐまで洗ったてのひらが、細かく震えているのが、自分でもわかる。


覗き込んだ鏡の中には、蒼白い顔色の自分が映っていて、それを消し去るように水を鏡にかけた。


だめだ、しっかりしなければ。


白石さんの声が聞きたくて、発信履歴から白石さんの番号を引き出した。


もちろん、発信履歴のいちばん上。


そこに浮かんでいる名前だけで、気持ちがやわらいでゆく。