ひとたらしどうし

「大丈夫?飲みすぎたんじゃない?」


気がつくと、肩と肩が触れる距離。


パーソナル空間に、パーソナルじゃないひとが座っている。


むせるような、甘い香水。


白石さんの、淡いミントとは似ても似つかない。


酔った頭でも、冷静に考えている。


音を立てて、勢いよく腰を浮かせて、席をひとつ隣に移動した。


「ひどいなぁ。そんなに露骨に避けなくてもいーじゃん」


にやにやと笑っているのは、実奈ちゃんと同じ成形に所属している、片山さんだった。