ひとたらしどうし

「とにかく、ほら、乾杯しよう」


私のビールのジョッキグラスに、自分のジンジャーエールのグラスをこつん、とぶつけてくれた白石さん。


目の前のふたりとも、乾杯をして、ようやくみんなで食べ始める。


「朝野さん、ほら。サラダ取ってあげるから皿貸して」


そんなふうに言ってくれた白石さんに、


「わ!すみませんッ!私がやります!」


そんな宣言は、


「いいからいいから。ほら、はやくー」


語尾があがった、茶化すような白石さんの言い方が、この場の空気をおだやかに変えてゆく。