ひとたらしどうし

「…さの、さ…、…あーさーのーさん!」


どしたどした?


呼ばれた声で、我に返る。


「どしたの?ぼーっとして。乾杯、終わっちゃったよ?」


隣の白石さんと、前の席の実奈ちゃんと大輔くんも、私を見つめている。


「…え…?…あー、お酒飲むの、本当に私でいいのかなって、考えてて。私、免許はあるけど、軽しか乗ったことがないから、白石さんの車は運転する自信がないしなぁ、って」


そしたら、運転中の白石さんを思い出して。


いろんな所に送る視線とか、ハンドルを握るてのひらの大きさとか、運転するときは必ず腕まくりをするとことか。そこに浮かぶ筋と血管とか。


会話が尽きないように、たくさんおしゃべりをしてくれて、私のおしゃべりも聞いてくれて……