ひとたらしどうし

「おぉー、ご機嫌さんが歩いてるなぁ」


突然、後ろから掛けられた声、は。


その声音だけでもう、体温が勝手にあがってゆく力を持っている。


「…しッ!…らい、し、さん…」


振り返ったら、にこっと笑う白石さんと目があった。


「だからなんで、もれなくカタコト?しかも声、裏返ってるし」


くくっ。


こちらまで嬉しくなるような、笑い方。


「だってッ!ずっと会いたかったから、うれしくてッ!!」


「……、」


一瞬の沈黙ののち、


「…またでかい声で、的確にオトコゴコロを揺さぶるんだよなぁ」


おでこに手を当てている。