王太子はフロリアーナ嬢のことでまだわだかまっているのか、そのまま話し続けた。
「私の知っているフロリアーナが全て偽りだったとは思いたくないが‥‥正直、今回のことで何を信じたらいいのかわからなくなった‥‥」
「フロリアーナ様は殿下のことが好きだったから暴走してしまったんだと思いますよ?その気持ちまで疑ったら、可哀想です‥‥」
「そうだろうか‥‥フロリアーナは私ではなく王太子妃という肩書きに固執していたように思えて仕方がないよ‥‥」
国を背負う立場にあって年齢を言い訳にすることはできないのかもしれないが、まだ18歳の彼が愛情を信じられなくなるのは、なんか悲しいなと思った。
「殿下、王だって人間ですよ?愛情だけで国は守れませんが、それも重要な要素であると私は思います。ましてや殿下はまだ若い。疑うことばかり覚えて愛情を信じられなくなれば、いつか守るべきものを見失ってしまう‥‥人間は意外と弱いから、信じて支え合える相手は多い方がいい。見極めは大事ですが、こちらが疑えば相手の信用は得られない‥‥自明の理です」
私が突然熱く語り出したせいか、王太子は困惑しているようだった。普段より幼く感じるその表情に、まだ手遅れではないと安心する。
「だから私は殿下のことを信じてみようと思います。まずは私が殿下にとって信じられる相手になりますから、殿下も騙されたと思って私を信じてみて下さい」
王太子が『フフッ』と笑い声を漏らした。
「その言い方では騙そうとしてるのか信用させようとしてるのか‥‥わけがわからないな」
呆れたような口調とはうらはらに、王太子の表情は柔らかいものへと変わっていた。
王宮での地獄のお茶会が嘘のように、穏やかな空気が流れている。一時はどうなることかと思ったが、これならなんとかやっていけるかもしれない。
すっかりぬるくなってしまった紅茶を口にして、ほっと安堵の息をもらした。
「聖母殿は不思議な女性だな‥‥元々周りに異性は少ないが、聖母殿のようにしっかりとした意見を持つ女性は今までいなかった。文化の違いだろうか?聖母殿の元いた場所はどんな国なんだ?」
「まず魔法はないですね。その分科学という学問が進化していて、馬車が使われていたのは100年以上前ですし、こういうドレスとかも大昔の人が着ていたイメージですかね?」
そんな会話をしばらく続けた後、王太子は城へと戻って行った。
会話を通じて少しはお互いを知ることができたと思う。これが正しいお茶会なのだろう。
結婚が決まっている以上、少しでも王太子との距離を縮めたい。きっとそれが最善の道だ。
「私の知っているフロリアーナが全て偽りだったとは思いたくないが‥‥正直、今回のことで何を信じたらいいのかわからなくなった‥‥」
「フロリアーナ様は殿下のことが好きだったから暴走してしまったんだと思いますよ?その気持ちまで疑ったら、可哀想です‥‥」
「そうだろうか‥‥フロリアーナは私ではなく王太子妃という肩書きに固執していたように思えて仕方がないよ‥‥」
国を背負う立場にあって年齢を言い訳にすることはできないのかもしれないが、まだ18歳の彼が愛情を信じられなくなるのは、なんか悲しいなと思った。
「殿下、王だって人間ですよ?愛情だけで国は守れませんが、それも重要な要素であると私は思います。ましてや殿下はまだ若い。疑うことばかり覚えて愛情を信じられなくなれば、いつか守るべきものを見失ってしまう‥‥人間は意外と弱いから、信じて支え合える相手は多い方がいい。見極めは大事ですが、こちらが疑えば相手の信用は得られない‥‥自明の理です」
私が突然熱く語り出したせいか、王太子は困惑しているようだった。普段より幼く感じるその表情に、まだ手遅れではないと安心する。
「だから私は殿下のことを信じてみようと思います。まずは私が殿下にとって信じられる相手になりますから、殿下も騙されたと思って私を信じてみて下さい」
王太子が『フフッ』と笑い声を漏らした。
「その言い方では騙そうとしてるのか信用させようとしてるのか‥‥わけがわからないな」
呆れたような口調とはうらはらに、王太子の表情は柔らかいものへと変わっていた。
王宮での地獄のお茶会が嘘のように、穏やかな空気が流れている。一時はどうなることかと思ったが、これならなんとかやっていけるかもしれない。
すっかりぬるくなってしまった紅茶を口にして、ほっと安堵の息をもらした。
「聖母殿は不思議な女性だな‥‥元々周りに異性は少ないが、聖母殿のようにしっかりとした意見を持つ女性は今までいなかった。文化の違いだろうか?聖母殿の元いた場所はどんな国なんだ?」
「まず魔法はないですね。その分科学という学問が進化していて、馬車が使われていたのは100年以上前ですし、こういうドレスとかも大昔の人が着ていたイメージですかね?」
そんな会話をしばらく続けた後、王太子は城へと戻って行った。
会話を通じて少しはお互いを知ることができたと思う。これが正しいお茶会なのだろう。
結婚が決まっている以上、少しでも王太子との距離を縮めたい。きっとそれが最善の道だ。



