真っ黒な外車から降りる。
一気に注目を浴びる。
いつになってもこれには慣れないな~・・・

「ごきげんよう、新寺さん。」
『ごきげんよう。』

私は新寺 杏。
21歳の大学生。
この学校は有名なお嬢様学校で
財閥や、有名な企業の社長令嬢達が
多く通っている。
私もその1人・・・

私の父は建築デザイナーをしている。
若いうちから苦労をしてきたが、
自分を信じ夢を実現した今では
一流建築デザイナーになった。
母は、お金のない若いころから父を支え、
巨万の富を得た今でも、贅沢をあまりせず
父や私を見守ってくれている。
二人とも私の大好きな、尊敬できる両親だ。

私は普通の大学に行きたかったんだけど、
両親の強い希望からこの学校に通うことに。
私は、人の押しに弱いっていうか・・・

私は将来音楽の先生になるために、
この学校で日々頑張っている。
基本的にあんまり目立つのは
嫌いなんだけど、家柄のため
注目されることが多い。
「この後はティーラウンジにいかれます?」
『これから、生徒会の資料を
 まとめなきゃいけなくて・・・
 今から会議室に行きますので。』

なんだこの会話!堅苦しい・・・
と思いつつも毎日こんな感じなんだよね。