落ち着くために私は紅茶を淹れる。
『どうぞ、ダージリンです。』
「ありがとう、いい香りだね。」
ニコッと笑う響さん。

先に話題に触れたのは響さんだった。
「驚かせてしまってごめんね。
 実は、婚約者にしてほしいと
 お願いしたのは僕なんだ。
 あの日以来、杏さんが忘れなくて・・・
 君のことが、好きなんだ。
 だから、結婚を前提にして付き合って
 ほしい。」
真剣な瞳で私の顔をみる。

私、嬉しすぎる。
『こんな…私でいいんですか?』
「もちろん!君だから、前から杏さんが
 好きだったんだ!」
『嬉しい…ぜひ、私を彼女に、婚約者
 にしてください!』
「ありがとう、必ず、幸せにするよ。」
そう言って私の手の甲に唇を落とした。


あぁ、王子様って響さんだったんだ。
大好き!

「おめでとー!!」
『きゃ!お父さんたち!!』
「響やるなー!さすがお父さんの息子☆」
「覗いてたんですか!?」
「おめでとう!杏ちゃん!」

いきなり両家公認の婚約者になりました。
神様、ありがとう!!